大学院 工学研究科Graduate school
前のページへ戻る研究科長挨拶

山陽小野田市立山口東京理科大学工学部はこの春、公立化後4年目となる完成年度を終え、本学大学院工学系研究科ではその一期生となる卒業生を迎え入れたところです。皆様方におかれましては本研究科の運営と取り組みに対して様々なご支援、ご協力を賜り、1999年の大学院発足以降、産業界を中心に多くの有為な人材を輩出することができましたこと、関係の教職員を代表し厚く御礼申し上げます。
さて、工学研究科は現在、工学分野における様々な課題解決に向けた研究および開発に取り組んでいけるように修士課程の5分野(機械・制御工学、電気・電子工学、情報科学、物質科学、有機・生物化学)と博士後期課程ではより集約された2分野(機械・電気情報、物質・材料)を擁しています。実際に産業界が抱える技術課題を研究テーマとして取り入れ、産学共同研究という枠組みの中で研究を実施している研究室が増えてきています。論文発表や特許出願による成果に加えて、それぞれの研究のアウトカムがまた次の産学共同研究に繋がるという好循環も生まれつつあります。学生諸君もこのような研究活動にメンバーとして参加することで、点数化された授業科目、英語力、コミュニケーション能力など個別に評価される素養の先にある、本来技術者や研究者が備えるべき深い専門性とそれを社会の中(自分の人生)で生かし、成長させるために必要となる多岐に亘る素養への気付きができることも、本研究科での学びによる魅力の一つです。さらに、これらと並行して本研究科と薬学部との連携による新しい観点からの研究や技術開発の展開が可能になってきました。
最後になりますが、これまでの歴史と実績に加え、今後の可能性を大いに秘めた本研究科での研究活動を通じて、21世紀の産業界だけでなく様々な社会の場面でも活躍できる技術者、研究者を目指すことができるものと確信しています。大学内外からの皆さんの山陽小野田市立山口東京理科大学大学院工学研究科への進学を教職員一同心よりお待ちしております。
工学研究科 工学専攻

理学と工学分野を横断的な視点で捉えた研究教育
工学研究科では、機械工学、電気工学、情報科学及び応用化学の分野を展望しながら、広い視野に立って学識を養い、独創的な研究課題に取り組み、理学と工学の調和した研究及び応用の能力を培います。伝統的な学問区分及び専門区分を尊重しながらも、これらにとらわれない横断的、学際的な視点をもって工学分野を展望し、理学と工学における理論と応用能力を身につけ、多様化する未来に向けて、常に基本に立ち返り諸種の課題に対処できる人材を育成します。課程 | 入学定員 | 取得学位 |
修士課程 | 15名 | 修士(工学)又は 修士(理学) |
博士後期課程 | 3名 | 博士(工学)又は 博士(理学) |
修士課程
修士課程は、科学技術が理学と工学の各分野に関連しあって進歩を遂げている現状を踏まえて、理工学分野を横断的な視点で捉えた研究・教育を行います。多様な専門性を要求される業務に必要となる研究能力及び学識と共に、技術者及び研究者に要求される倫理や知識を習得し、それぞれの分野で個性と創造性を発揮できる人材を育成し、科学技術の進展に寄与することを目的とします。教育研究分野
修士課程の教育研究分野は、「機械・制御工学分野」、「電気・電子工学分野」、「情報科学分野」、「物質科学分野」、「有機・生物化学分野」の5つの専門分野で構成され、各分野がそれぞれの特徴を活かしつつ相互に関連した教育研究を行うよう構成しています。工学研究科の教育研究分野の編成とカリキュラム構成

特色
<世界的視野からの研究活動>学生が自らの専門分野について世界的な視野をもち、その進歩進展を常に把握する姿勢を身につけるために、研究指導の過程では国内外の研究報告会や研究指導教員が所属する学会、国際会議への参加を含め、研究内容や研究方法について幅広い助言と指導を受けられるよう配慮がなされています。
<学部と大学院の教育の連携>
大学院は、1研究科1専攻において機械・制御、電気・電子、情報科学、物質科学、有機・生物化学の5つの専門分野に関する教育研究を行います。これらの専門分野は、学部の機械工学科、電気工学科、応用化学科の各学科の教育を基盤としたものですが、各分野はその特徴を活かしつつ、相互に関連した応用研究を行うように構成されています。
<多彩な授業科目>
5つの教育研究分野にはその専門分野以外の学生のために、「特論」を設け、選択必修として3科目以上履修するようにしてあり、学生が各自の専門分野だけでなく、関連する他の専門分野についての幅広い基礎概念を学べるように工夫されています。 また、専門科目だけでなく、各教育研究分野における最新の情報を提供する「特別講義」を設け、関連分野の最先端での著名な科学者・技術者を講師として招き、専門分野の進展状況や学術研究に対する姿勢、創造性の育成の仕方などを習得します。 修士課程1年は、必修科目として「キャリア指導」と「技術マネイジメント論」を受講します。これらの科目を通して、大学院での研究に対する意識を高め、修士の学位を有する者として社会で活躍する心構えを養います。
修了要件
修士課程に2年以上在籍し、所定の授業科目を30単位以上を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、修士論文の審査及び最終試験に合格する必要があります。ただし、在学期間に関しては、特に優れた業績を上げた学生については、当該課程に1年以上在籍すれば足りるものとしています。授業科目
専門分野 | 授業科目 |
大学院教養科目 | 国際コミュニケーション1 国際コミュニケーション2 技術マネイジメント論 キャリア指導 大学院教養特別講義 |
機械・制御工学 | 機械工学特論 制御システム工学特論 熱流体工学 機械システム工学 |
電気・電子工学 | 電気工学特論 エネルギー工学特論 電子デバイス工学 半導体工学 |
情報科学 | 情報科学特論 情報通信工学 |
物質科学 | 物性科学特論 高分子科学 機能材料工学 界面物性科学 分光・分析学 |
有機・生物化学 | 有機化学特論 有機構造化学 生物工学 |
専門共通 | 特別講義1(機械・制御) 特別講義2(電気・情報) 特別講義3(化学・材料) 特別研究1 特別研究2 特別演習1 特別演習2 |
入学者受入れの方針
- 学士課程で修得した理工学分野の基礎的及び専門的知識、並びに研究のための基本的技能を「機械・制御工学」、「電気・電子工学」、「情報科学」、「物質科学」、「有機・生物化学」に関連する研究課題に適用し、より深く修める意欲のある人を求めます。
- 修士課程において研究を進めるための基礎となる研究計画の立案と遂行能力、論理的思考力、問題解決能力、表現力及び技術者倫理を有し、それをより高める意欲のある人を求めます。
- 修士課程において修得する高度な知識と技能を実践的に応用し、社会に貢献したいと望む人を求めます。
教育課程編成・実施の方針
- 専門分野ごとに5講座の「特論」を設け、3講座を選択必修とし、自らの研究分野とは異なる分野を含む幅広い理工学の基礎概念を育成します。
- 学外の講師による「特別講義」2講座を選択必修として、最新の研究の進展状況を知るとともに、 講師の学術研究に対する姿勢や創造性の育成の方法などの知見を広げる機会を設けます。
- 「国際コミュニケーション」を設け、外国語によるプレゼンテーションの能力を向上させ、研究成果を情報発信する意識を高めます。
学位授与の方針
修士課程の研究教育を修め、技術者・研究者に必要とされる次の能力と資質を身につけ、かつ所定の単位を修得した学生に学位(修士(工学)又は(理学))を授与します。- 多様な専門性を要求される業務に必要とされる研究能力及び学識とともに、技術者・研究者に要求される倫理観及び常識を有している。
- 理学と工学における理論と同時に応用能力を有し、それを用いて多様な問題の所在を明らかにし、常に基本に立ち返って対処できる能力を備えている。
博士後期課程
博士後期課程は、高度に専門的な業務に従事するために必要な研究能力及びその基礎となる豊かな学識を培い、それらを備えた研究者として自立し世界的水準で活躍できる人材を育成し、科学技術の進展に寄与することを目的とします。教育研究分野
博士後期課程では、専攻を「機械・電気情報分野」、「物質・材料分野」の2分野に集約し各分野がそれぞれの特徴を活かしつつ相互に関連した教育研究を行うよう構成しています。■ 機械・電気情報分野
■ 物質・材料分野
授業科目
専門分野 | 授業科目 |
機械・電気情報 | システム工学演習1 システム工学演習2 システム工学演習3 システム工学研究1 システム工学研究2 システム工学研究3 |
物質・材料 | 物質科学演習1 物質科学演習2 物質科学演習3 物質科学研究1 物質科学研究2 物質科学研究3 |
共通 | コロキウム1 コロキウム2 |
入学者受入れの方針
- 修士課程で育まれた研究遂行能力と専門分野を中心とした幅広い知識を、「機械・電気情報分野」「物質・材料分野」に関連する最先端の研究に活かし、自ら課題を見出しながら研究を積極的に推進し、遂行能力と学識をより深く窮める意欲のある人を求めます。
- 社会の要請に弾力的に応えるとともに国際社会に貢献したいと望む人を求める
教育課程編成・実施の方針
- 修士課程で育まれた研究遂行能力および幅広い知識を最先端の研究分野に活かして、より深く窮め、社会の要請に弾力的に応えるとともに国際社会に貢献するための能力を培います。
- 自らの専門分野について世界的な視野をもち、その進歩進展を常に把握する姿勢を身につけるために、国内外の学会等での発表及び討論の方法、並びに学術論文の執筆に関する指導を行い、研究成果を正確に表現し、発信する能力を涵養します。
学位授与の方針
博士後期課程の研究教育を修め、世界的水準で活躍できる専門家に必要とされる次の能力と資質を身につけ、かつ所定の単位を修得した学生に学位(博士(工学)又は(理学))を授与します。- 高度に専門的な業務に必要な研究能力とその基礎となる豊かな学識を修得し、それを技術開発や学術研究に応用することができる。
- 高度な技術開発や学術研究を遂行するために、技術者・研究者のグループを組織し、リーダシップをとることができる。