背景色
文字サイズ
山陽小野田市立山口東京理科大学
山陽小野田市立山口東京理科大学は総合教育と専門教育を通じて未来を担う科学技術者の育成を目指します。
〒756-0884 山口県山陽小野田市大学通1-1-1 TEL:0836-88-3500
無題ドキュメント

長州に偉人あり、偉人を語り継ぐ偉人ありPresident room

投稿日:2018/05/10


下関在住の直木賞作家、古川薫さんが5日に亡くなりました。8年前にこの地に来て、サンパークの良文堂さんで手にし、一気に読んだのが、古川薫さんの「松陰の恋」と「花冠の志士」の文庫本でした。しっかりした調査に基づいた精緻な事象の表現と細やかな人の心の機微の描写に、来たばかりの長州という土地が無性に懐かしく感じられました。もともと、直木賞受賞作の「漂白者のアリア」位しか読んだことが無かったのですが、その後、偶然、「斜陽に立つ」と「君死に給ふことなかれ」のサイン本を入手したことから多くの著作を読ませていただきました。読むたびに直接お話を伺いたいと思い、それがかなったのが、3年前に新山口で行われた山口大学創基200年式典での記念講演と2年前に下関で行われた山口新聞創立70周年記念講演でした。とりわけ、後者の「未来からの歴史、関門海峡を通る」は心に残るものがあり、今年の入学式の式辞でも、新入生諸君に"今を大切にしなさい"という意味合いで引用させていただきました。"人に対する思いやり、人の心の強さ"を感じさせていただいて好きだった、故藤沢周平さんの小説、同様な秀作を同時代に読み継がれるといつも心躍らせられた、葉室麟さんと古川薫さんの作品達。葉室さんも古川さんもこの半年の間に鬼籍に入ってしまわれました。郷土にゆかりの偉人たちの生きざまを小説に仕上げて、その人物像を生き生きと示された古川薫さんこそは、まさに、"偉人を語り継ぐ偉人"でした。いつか本学にもおいでいただき、学生たちに懐かしきことをお話し頂きたいと思いながら、かないませんでした。心からご冥福をお祈りいたします。