応用化学科についてAbout
化学の力で人と地球に優しい物質を開発する
応用化学科は、理学と工学の幅広い知識と技術を基盤とし、物質と環境に視点を置いた教育研究を通して、人々が安心して安全に生活ができる社会の持続的構築に貢献します。この使命・目的を達成するため、化学を基軸として物理学や生物学の関連分野及びそれらの学際領域において、自然真理の探求から応用技術の創出にわたる先導的研究を遂行すると共に、物質・材料・環境・生命の分野に関連する総合的知識、問題発見・解決力と表現力、技術者倫理を備えた国際感覚豊かな科学技術者を育成します。
学習・教育目標
応用化学科の知の広場で培う、化学技術者に求められる
確かな基礎学力と豊かな専門学力
応用化学科では、6つの学習教育目標をかかげて学士課程の教育プログラムを編成。これらの目標を達成した学生は、人間性豊かな化学技術者に必要な「確かな基礎学力」と「高度な専門知識」を修得した証として、学士(工学)の学位を取得します。
目標A 広い視野での社会観と責任能力をもつ技術者の養成
世界には多様な人種、文化、習慣、価値観などがあることを理解し、自分たちの文化や価値観だけでなく、他者の立場からも物事を考えることができる能力とその素養を身につける。さらに、技術者の立場から技術が社会や自然に及ぼす効果・影響を正しく理解し、技術が社会に負うべき責任感を身につける。
目標B コミュニケーション能力の養成
日本語および英語による口頭や文章での論理的表現能力を培い、プレゼンテーションや討論の方法を習得することにより、国際的に通用するコミュニケーションの基礎能力を身につける。
目標C 数学、自然科学、情報技術の知識の習得
数学、物理学、化学などの自然科学を基幹基礎科目として学びながら、情報技術、コンピューター利用技術を身につけ、それらを応用化学の諸問題に適応できる能力を身につける。
目標D 化学の実験的技術と計画的実践力の修得
実験・実習を行う目的を明確にして、与えられた制約の下で計画的に実験を行い、まとめる能力を身につける。機器の操作技術、データ取得技術、データ処理技術、報告書作成技術を習得するとともに、問題を発見・考察する能力も培う。
目標E 化学の専門的知識と応用力の修得
有機化学・生物システム系、物理化学・物質デザイン系、無機化学・環境サイエンス系に関する知識と、それらを問題解決に応用できる能力を身につける。
目標F デザイン能力とチームワーク力の養成
課題発見・解決力、実践力、デザイン能力などを養い、理解して得た知識・手法を実験による確認を通して明確にし、課題解決に応用する能力を育成する。チームで仕事をするための基礎的な知識と能力を身につけ、様々な分野の人と協働する能力を身につける。特に「卒業研究」では、問題の設定・解決能力、結果・経過の判断・評価能力、研究成果の報告・発表能力、協調性や自己管理能力を身につける。
学びの領域
共通科目 | 物理化学・物質系 | |
[基幹基礎] | [専 門] | 〇物理化学1 物理化学2 物理化学演習 量子化学 構造化学 高分子化学 |
基礎数学 基礎物理 ★基礎化学 ★線形代数1 ★微分積分学及び演習 ★物理学及び演習 ★物理学実験 ★データサイエンス演習1・2 |
★無機分析化学実験 ★有機化学実験 ★物理化学実験 ★生体物質化学実験 ★卒研輪講 ★卒業研究 機能性材料1・2 マテリアルズ・インフォマティクス バイオインフォマティクス 化学工学 化学工学演習1・2 環境工学セミナー 応用化学特別講義A・B 界面科学 科学英語・発表技術 デザイン工学 経営工学 職業体験 技術者倫理 地域産業論 地域技術学 |
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[専門基礎] | 無機化学・環境系 | |
★工学数学及び演習 ★物理学2及び演習 線形代数2 ★化学 ★化学実験 生物学 地学1・2 地学実験 |
〇無機化学1 無機化学2 無機化学演習 無機合成化学 機器分析 分析化学 結晶構造 |
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[一 般] | 有機化学・生物系 | |
★英語科目 人間科学科目 教職科目 |
〇有機化学1 有機化学2 有機化学演習 有機合成化学1・2 有機工業化学 生化学1・2 分子生物学基礎 分子生物学 生物物理学 |
※〇がついた科目は選択必修科目
※★がついた科目は必修科目
JABEE認定教育プログラム「応用化学コース」
応用化学科の教育プログラム「応用化学コース」は、日本技術者教育認定機構(JABEE)からJABEE技術者教育プログラムとして認定されました。応用化学コースの修了生は、技術者として必要な教育を修了したことが国際的に認められ、修習技術者の資格が与えられます。また技術士第一次試験が免除され、登録することによって技術士補の資格が与えられます。
学びの内容
有機化学・生物系有機工業化学有機化学を私たちの生活に役立てるため、産業として大規模に有機物を合成するには、安定して手に入る原料を選び、合成効率のみならず廃棄物の処理コストまで考慮する必要があります。分子生物学バイオテクノロジー(生物工学)は分子生物学の発展をもとに生まれてきました。ここでは、分子生物学の概要をわかりやすく解説し、バイオテクノロジーの理論、手法、将来の展望などについて学びます。 |
物理化学・物質系物理化学1物理化学は、物理学の理論や物理的測定方法を物質の構造や性質、反応に応用することを目的とする科学の一分野です。物質の化学現象の基本に関わる概念を理解し、その現象を支配する規則や法則を学びます。物性工学1新物質を開発し、物質のもつ機能を応用するためには、物質の性質や構造に関する基礎知識を習得することが大切です。固体の構成原子や分子が規則配列した結晶の熱的性質と電気的性質の知識を修得します。 |
無機化学・環境系無機合成化学空気、海水、鉱物を原料とする無機工業化学として、アンモニア合成工業や硝酸工業、海塩工業、ソーダ工業についてその製造プロセス及び装置等について学びます。エネルギー化学現在エネルギー源として使われている石油、石炭、原子力の化学を学び、これらを今後どのように利用していくべきかを考えます。また、新しいエネルギー源と将来展望について学びます。 |
学びのステップ
1年次
化学の魅力に迫る
習熟度別のクラス授業を通して、化学、物理学、数学の基礎学力を修めます。さらにコンピュータ活用力やキャリア開発力、英語の基礎力なども培います。
2年次
専門科目への導入教育
基礎から専門へブリッジする役割を担う専門基礎の講義とともに、実践授業を重視する教育ポリシーに基づいて無機分析化学と有機化学の専門実験が始まります。さらにマネージメント力やコミュニケーション力なども育みます。
3年次
細分化された専門領域へ
「無機化学・環境系」「有機化学・生物系」「物理化学・物質系」の領域の中から、関心のある領域の専門科目とともに、他の領域の専門科目も修得し幅広い専門知識を修めます。さらにJABEE認定「応用化学コース」の履修を選択します。
4年次・卒業研究
集大成としての卒業研究
研究室の指導教員のもとで「卒業研究」を修得します。1年間の卒業研究で学べる能力は、デザイン力、問題発見力と解決力、解析力と総合力、発表力など多岐にわたります。卒業研究の成果を年度末に発表します。
在学生の声
今できることは挑戦してみる。きっと将来の糧になると信じて。
山口 真季さん
島根県 松江北高校出身
入学前はヘアメイクなど化粧品の開発を自分でしてみたいと思っていました。今は有機化学系の授業が、高校時代と比べより深い次元で学べることがとても面白く、研究開発職への興味が湧いてきています。今は、いろいろなことに挑戦し、吸収し、経験を将来につなげていきたいと思い、勉強はもちろん、アルバイトやサークル活動も頑張っています。