卒業生の声

大庭 光平

卒業
工学部 機械工学科 2018年3月卒業
勤務先
株式会社 三井ハイテック
出身
福岡県

山口東京理科大学機械工学科を志望した理由を教えてください。

当時複数の大学のパンフレットを参考に大学を探していた中、山口東京理科大学の「教授と本音で意見交換し、個別指導頂けるチューター制度」が最大の魅力に感じました。早速、その旨を両親に相談、一週間後には大学訪問し、そこで最初に出会ったのが結城教授でした。研究室内の様子、また学内外の状況を総合的にご説明して頂きました。その時の教授の言葉で特に印象に残っているものは「大学に入っての勉強はやるかやらないかですよ。」という単純明快な言葉でした。大学では興味があった数学・物理を深化させ、幅広い知識(工業高等学校第一種免許状及び技術者教育(JABEE))を身に付けたいと考えたのが主な動機です。

在学中、勉強以外で取り組んだこと、楽しかったことを教えてください。

主な取り組み内容は、2点あります。1点目は学友会です。学友会とは、学生の有志により集まったメンバーです(生徒会のようなもの)。その学友会では大学の発展・向上の為に今何が必要で、どういった行動が必須なのかといった議題に対して、各学科1-4年生の学生で様々な意見を出し合いました。取りまとめた意見を学生の代表として大学に訴えたことがとても印象に残っています。 2点目は、秋に実施された学科別の球技大会で、私の高身長を生かしバレーボール部門で優勝することが出来たことです。相手のアタックをブロックしている写真が、大学のパンフレットに掲載されたのは今ではいい思い出です。

卒業研究(もしくは修士の研究)の内容について教えてください。

私は金属強度を向上させるキャビテーション加工の研究を行っていました。この加工に近いものとして、金属材料表面に主に金属の微小な鉄球をぶつけ金属材料の機械特性を向上させるショットピーニングが挙げられます。このショットピーニングでは金属材料表面に微小な鉄球をぶつけ、機械特性を向上させますが、キャビテーション加工では微小な鉄球の代わりにマイクロサイズの泡を用いて金属材料の機械特性を向上させます。また、所属していた研究室が独自に開発した機能性キャビテーション加工技術ではキャビテーションの泡に超音波を照射することで高温、高圧加工を可能にし、金属表面形状をあまり変化させることなく、金属に機械特性向上だけでなく、様々な特性を付与することが可能になりました。 私が企業と行った共同研究では、自動車部品にこの機能性キャビテーション加工を施し、未加工、キャビテーション加工したものと回転疲労試験結果を比較すると疲労強度を向上させることができました。また、鉄鋼材に加工した際には表面に皮膜が形成され、金属材の耐食性を向上させることができました。元々、自動車分野に興味があった私にとってはとても良い研究結果になりました。

現在の仕事を選んだ理由と仕事のやりがいについて教えてください。

自動車業界は100年に一度の変革の時代の到来と言われています。自動化・電動化、また人工知能による更なる先端情報技術等、世界の自動車メーカーは飛躍的な未来を創造しうる社会構造の中心的存在をなしうる基幹産業であると認識しています。この社会情勢において将来の自分自身を向上させる為に、自動車メーカーに関わる仕事に従事したいと考えていました。現在は車載用モーターコアの量産部門において自動車メーカーからの受注、それに伴う製造部門への生産指示及び在庫管理、又、お客様との橋渡しである商社との調整業務を担当しています。入社して3年が経過し、特に納入先・商社との調整においては自分自身の知識の未熟さを露呈する部分が多々あります。その勉強不足を補うためにも、向上心を持ってどんな些細なことにも解決していく能力を身に付けることにより、仕事のやりがいを感じています。今日よりも明日、明日よりも明後日と日々良くなるよう、どのように取り組めば業務が円滑に進むのか試行錯誤を繰り返す毎日です。

機械工学科での学びが、現在の職場でどう役立っているか教えてください。

大学での実験・研究において、仮説検証を行う過程にて問題提起を認識する能力を養い、結果による再検証を行うデータ分析によって多角的視点から課題解決する思考能力を育成することが出来ました。上記の一連の流れにおいて日常業務の中で問題意識を持って効率性を重要視する行為を醸成することが出来ました。現在の職場では日々のミーティングにおいて在庫管理の適正度、人材の効率性、労働生産性の向上等、これは全てデータ分析が必要となりますが、コミュニケーション能力も必要となり、調整内容を行動に移し、結果を基に調整する難しさを改めて再認識しています。その為にも、データ蓄積・分析による一連の過程にて確固たる検証を示すことの重要性が必要不可欠です。大学と現場とのギャップは多少ありますが、微力ながら役立っていると自負しています。

山口東京理科大学に進学するか迷っている高校生に、アドバイスをお願いします。

大学の選択について振り返ると「興味がある分野を徹底的に追求する」ことを指針として考えた結果、当大学を選択しました。大きな特色である「少人数制による個別指導の充実した環境」の中で、教授との対話を通じてフレンドリーな関係を構築することが出来ました。また、講義内容においては基礎知識を習得させて頂き、その上で高度な専門性を学び、更に私自身で言えば講義内容で理解できない点は研究室まで訪ねて徹底的に教わりました。時間を惜しまず何度も何度も伺いましたが、教授も私が理解するまでかなりの時間を割いて納得するまで教えて頂きました。 自分の強い熱意があれば、教授も最後まで熱心に付き合って頂ける環境は、他にはない魅力であり、素晴らしい大学であると痛感しています。