大学院について

工学研究科 工学専攻Graduate School of Engineering,
Department of Engineering

人材育成目的・教育研究方針

工学研究科における主たる目標は、 機械工学、 電気工学情報科学及び応用化学の分野を展望しながら、 広い視野に立って学識を養い、 独創的な研究課題に取り組み、 理学と工学の調和した研究及び応用の能力を培うことにあります。
伝統的な学問区分及び専門区分を淳重しながらも、 これらにとらわれない横断的、 学際的な視点をもって工学分野を展望し、 理学と工学における理論を修得し同時に応用能力を身につけ、 多様化する未来に向けて、 常に基本に立ち返って諸種の問題に対処できる能力を養います。

研究科の目的

修士課程

科学技術が理学と工学の各分野が相互に関連し合って進歩を遂げている状況を踏まえて、 理学と工学分野を横断的な視点で捉えた研究・教育を行い、 多様な専門性を要求される業務に必要となる研究能力及び学識と共に、 技術者及び研究者に要求される倫理や常識を身につけ、 それぞれの分野で個性と創造性を発揮できる人材を育成し、 よって科学技術の発展に寄与することを目的とします。

博士後期課程

高度に専門的な業務に必要な研究能力とその基礎となる豊かな学識を備え、 技術開発と研究に従事する専門家として世界的水準で活躍できる人材を育成し、 科学技術の進展に寄与することを目的とします。

専攻の目的

工学専攻は、 理学と工学を相補的に調和・融合させ、 機械・制御工学、 電気・電子工学情報科学、 物質科学、 有機・生物化学の分野を統合し、 幅広い視点で機械・制御、 電気・電子・情報、 物質・材料の専門分野を展望しながら、 複雑化・多様化する科学技術の諸問題を 工学の視点から探求し、 時代の要請に豊かな発想で対応できる人材の養成を目指します。

教育研究分野

修士課程

5つの専門分野で構成
  • 機械・制御工学分野
  • 電気・電子工学分野
  • 情報科学分野
  • 物質科学分野
  • 有機・生物化学分野

博士後期課程

2分野に集約し各分野がそれぞれの特徴を活かしつつ相互に関連した教育研究を行うよう構成
  • 機械・電気情報分野
  • 物質・材料分野
大学院工学研究科工学専攻の構成
大学院工学専攻の専門分野と工学部・電気工学科との関係

大学院の専門分野と主な研究分野

専攻名 専門分野 主な研究分野
博士後期課程 修士課程
工学研究科 工学専攻 機械・電気情報 機械・制御工学 知能機械システム、ディープラーニング(Deep Learning)
材料工学、機械設計
流体力学、エネルギー総合工学
機械工学、機構・機械要素
ロボット工学、機械システム
設計工学、精度設計
材料科学、結晶集合組織
電気・電子工学 電子材料工学、電子デバイス、熱電変換工学
超伝導工学、水素エネルギー工学
液晶デバイス、ソフトマター工学
高電圧工学、プラズマ工学
光学、エネルギーハーベスティング
情報科学 カオス、情報数理
ユビキタスコンピューティング
物質・材料 物質科学 機能性無機材料化学
物性化学、無機分子科学
光エネルギー変換材料、光機能材料
錯体化学、生物無機化学、分光学
個体触媒材料化学
有機・生物化学 超分子化学、コロイド化学
有機合成化学、有機金属化学
生化学、タンパク質化学
有機元素化学、有機材料化学
生物分子化学、ペプチド化学

電気工学科の大学院指導教員と主な研究分野

阿武 宏明教授

Anno, Hiroaki

博士(工学)

  • 電子材料工学
  • 電子デバイス
  • 熱電変換工学

電子機能材料、エネルギー変換材料、特に熱を電気に直接変換する熱電材料の創製とそのデバイス開発について研究しています。脱炭素社会の実現に向けて、工業炉や移動体等から排出される未利用熱を固体素子により電気に換えて有効利用する熱電発電への応用を目指しています。

修士課程 電気・電子
博士課程 機械・電気情報

井上 啓教授

Inoue, Kei

博士(理学)

  • カオス
  • 情報数理

複雑な振る舞いを示す現象(例えば、レーザー光の合成、渋滞を引き起こす交通の流れ)に関するデータのカオスを測る研究を行っています。また、医療・薬学データの予測(例えば、手術後のがん患者の生存予測)に用いる機械学習手法の改善に関する研究も行っています。

修士課程 情報科学
博士課程 機械・電気情報

柁川 一弘教授

Kajikawa, Kazuhiro

博士(工学)

  • 超伝導工学
  • 水素エネルギー工学

電気抵抗がゼロとなる超伝導現象を利用した高機能・高効率な超伝導応用機器(電気機械、電磁石、NMR/MRI装置など)を研究開発しています。また、超伝導応用機器を実現するために必要となる超伝導体の基礎特性(交流損失、熱的安定性など)も定量的に評価しています。

修士課程 電気・電子
博士課程 機械・電気情報

高頭 孝毅教授

Takatoh,Kohki

博士(理学)

  • 液晶デバイス
  • 電子デバイス工学

液晶素子と光学フィルムの開発を行っています。主な成果としては超低電圧駆動可能な液晶素子、また入射する光の方向により透過率を変えられる液晶素子を考案・開発しています。光学フィルムとしては、初めてフィルムにナノ材料を適用することによるディスプレイ用光学フィルムの開発に成功しました。

修士課程 電気・電子
博士課程 機械・電気情報

穐本 光弘准教授

Akimoto, Mitsuhiro

博士(理学)

  • 液晶デバイス
  • ソフトマター工学

液晶と高分子などのソフトマターと様々な有機・無機高機能材料・ナノ材料の複合化に関する基礎研究、及びそれら複合材料をデバイスに応用する研究を行っています。特に液晶材料の持つ物性値異方性を活用した新しい応用の提案を目指しています。他に酸化物薄膜を基材とした新規メモリデバイスや微生物燃料電池の研究も行っています。

修士課程 電気・電子

大嶋 伸明講師

Oshima, Nobuaki

博士(工学)

  • 高電圧工学
  • プラズマ工学

大気圧低温プラズマを用いた表面改質では、従来は接着が困難であったフィルムと他金属の接着性向上を目的としています。またプラズマによって植物の成長を促進することを目的とした研究では、種子の発芽タイミングを合わせることを目指して実験を行っています。

修士課程 電気・電子

合田 和矢講師

Goda, Kazuya

博士(工学)

  • 光学
  • エネルギーハーベスティング

合田研究室では、温度変化に応答するスマートウインドウを開発しています。大学院では、①親水/疎水界面におけるイオン液体の相分離挙動の解明や、②高分子ポーラスフィルムを利用した表示特性の改善に注力しています。これらの素子は、窓材だけではなくスクリーンへの応用も期待できます。

修士課程 電気・電子

山本 眞也講師

Yamamoto, Shinya

博士(工学)

  • ユビキタスコンピューティング

IoT,画像処理,機械学習,GPGPU演算,情報の可視化などの情報処理技術を複合的に活用し、環境を最適化するためにデバイスを制御したり、状況に合わせて行動変容を促したりすることで、生活を豊かにするような新しいシステムやサービスについて研究を行っています。

修士課程 情報科学

修了後の進路

修士課程を修了後は、研究者・技術者として多業種で活躍しています。

主な就職先

(2021~2023年度卒業生)

製造業 トピー工業㈱/大同メタル工業㈱/㈱アステックペイント/AGCテクノグラス㈱/上野製薬㈱/多摩化学工業㈱/㈱富士通ゼネラル/八光オートメーション㈱/テルモ山口㈱/※日本電産リード㈱/ENEOS NUC㈱/㈱FILWEL/第一工業製薬㈱/ヤスハラケミカル㈱/㈱ニホンゲンマ/日本化薬㈱/三協化成㈱/㈱フジキン/芝浦機械㈱/新光電気工業㈱/㈱アイシン/矢崎総業㈱/Japan Advanced Semiconductor Manufacturing㈱/住友金属鉱山㈱別子事業所/石原ケミカル㈱/セントラル硝子㈱/ダイハツ九州㈱/TBグローバルテクノロジーズ㈱/※㈱タカギ/東洋紡㈱/※㈱三井ハイテック/UBEマシナリー㈱
電気・ガス・熱供給・水道業 九電産業㈱/※日本原子力発電㈱※関西電力㈱
情報通信業 ㈱DYM/※㈱KSK/NewoN/パナソニックソリューションテクノロジー㈱
教育・学習支援業 大阪府公立学校教員/山口県公立学校教員
サービス業(他に分類されないもの) ※パーソルエクセルHRパートナーズ㈱※㈱テクノプロテクノプロ・デザイン社/栗田工業㈱/※㈱アイキューブ/㈱テクノプロR&D社

※修士課程 電気電子工学分野および情報科学分野の修了生就職先