研究室・教員紹介

井上研究室Inoue Laboratory

非線形データ分析

井上 啓教授

Inoue, Kei

博士(理学)

井上 啓

カオス解析で得られたデータ分析の知見を、異なる研究領域や地域の課題解決に活かす。

本研究室では、カオス尺度という独自指標を用いて、カオス現象の複雑さを数値化する研究を行ってきました。現在、カオス解析で得られた知見を、カオスとは異なる研究領域や地域における課題解決にも活かす試みを行っています。一見すると無関係に見える研究テーマであっても、カオス解析で得られたデータ分析の知見が活かされています。

例:医療・薬学データの機械学習による予測手法改善

薬学部の緒方教授との共同研究として、肺がん患者の手術後の生存予測問題を取り上げ、予測手法の改善を行いました(図1)。

図1 肺がん患者の生存率に対する予測モデルの判別率

例:山陽小野田市のデマンド型交通の運行支援

山陽小野田市のデマンド型交通の運行者を支援するために、デマンド型交通シミュレーターを開発し、最適な運行経路の見える化や運行記録のデータ分析を行っています(図2)。

図2 デマンド型交通シミュレーターにおける最短経路の表示(「基盤地図情報データ」上に表示)

大久保 健一助教

Okubo Ken-ichi

博士(情報学)

大久保 健一

カオス力学系の統計的性質の解析

バタフライ効果という言葉を聞いたことがあるでしょうか?アマゾンで蝶が羽ばたくことで生じる大気の流れがサンフランシスコの竜巻になるように、わずかな差が積み重なりとても大きな現象を生じさせるという意味です。このような現象をカオス現象と言います。私はこのカオス現象の統計的性質をモデルを用いて解析する研究をしています(図3)。

図3 一般化Boole変換におけるパラメータとLyapunov指数の関係