研究室・教員紹介

大嶋研究室Oshima Laboratory

パルスパワーとプラズマ

大嶋 伸明講師

Oshima, Nobuaki

博士(工学)

大嶋 伸明

一瞬の輝きに
無限の可能性を見出す

マイクロ秒~ナノ秒というような極短い時間だけ電力を使い、通常では有り得ない現象を起こすのがパルスパワーという技術です。これは半導体を高速に駆動・制御することによって実現できます。この技術を応用して、大気圧低温プラズマの生成と表面改質への応用、短パルス放電による金属-樹脂の剥離技術の開発、水のパルス電気分解による水素製造の高効率化など環境改善やリサイクル、水素社会実現を目指した研究を行っています。

大気圧低温プラズマの生成

大気圧下で放電を起こすと、一般的にはアーク溶接のような高温のプラズマが生成されます。しかし、一瞬(数µs)だけ放電を起こし、それを1秒間に1万回繰り返すことで、右のような手で触れるほど温度の低いプラズマ(青白い光)を生成することができます。大気圧かつ低温という特徴から、医療や農業など今まで縁が無かった分野へのプラズマ応用が期待されています。

大気圧プラズマによるPTFEの親水化処理

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は耐薬品性、耐熱性等に優れていて、屋外テントや半導体製造プロセスに使用されている樹脂です。一方で、接着性や塗装性は乏しいため用途によっては表面改質が必要となります。右図(未処理)はPTFEの表面に水を滴下した様子です。同図(処理後)は大気圧プラズマを照射した後に水を滴下した写真です。このように大気圧プラズマを照射することで表面の性質を撥水から親水へと変化することができます。