数理情報科学科は、数学を基礎として情報を数量化し、科学的に分析する能力を身につけることで、行政、医療、福祉、製造、流通などのあらゆる社会分野で活躍するデータサイエンティストを養成します。
デジタル化社会の到来に伴い、数理・データサイエンス・AI に関する知識・技能を有する人材が求められています。数理情報科学科では、 数物・計算技術、生命科学、データサイエンス・情報解析・ソフトウェア、自然言語処理の4つの専門分野を設定し、主専攻と副専攻の選択により複数の分野にわたり知識を修得することができます。デジタル活用の未来へ向けて、データ分析能力や問題解決力を身につけ、変化する社会で活躍でき、世界へと羽ばたく人材育成を目指しています。
数理情報科学科 学科主任福井 一彦FUKUI, Kazuhiko
計算科学の基盤となる数理統計学の考え方を身につけ、数学的モデルとその定量的な評価法と計算機を活用することで、科学技術上の問題を解決する能力、社会における多様な情報を数量化し、論理的に分析し、問題の発見とその解決に貢献しうる能力を育成します。
データサイエンスと生命科学・薬学を融合
データサイエンスと生命科学・薬学を融合したバイオ・インフォマティクスの考え方を身につけ、医薬品開発における数理技術の活用、科学的根拠に基づく創薬に向けたデータ活用の知識と技術、統計分析とAI 技術を活用した医療データ分析により、新しい創薬基盤の開発及びクオリティ・オブ・ライフ向上に向けた医療情報の活用を行う能力を育成します。
AIによりビッグデータを解析
アルゴリズムを基礎に、人工知能、機械学習、ディープラーニング等の知識と技術を身につけ、ビッグデータや高次元データなどの膨大な情報を読み解き、データ可視化により分かりやすく説明し、多量のデータから新しい価値を見出す力やソフトウェアを開発する能力を育成します。
AI技術により人間の言語情報を構造化
検索エンジン、機械翻訳、音声アシスタント、チャットボットなど、AI 技術により人間の言語を理解・処理・生成し、情報を構造化してテキストデータや音声の内容を理解する自然言語処理の技術を身につけ、自然言語処理の理論と実践の両面から新しい情報活用とイノベーションを提案できる能力を育成します。
データサイエンティストに求められる、確かな基礎学力と高度な専門知識
数理情報科学科では、5つの学習教育目標をかかげて学士課程の教育プログラムを編成。これらの目標を達成した学生は、人間性豊かなデータサイエンティストに必要な「確かな基礎学力」と「高度な専門知識」を習得した証として、学士(工学)の学位を取得します。
人間・社会・自然に係る幅広い教養を修得し、横断的にものごとを俯瞰できる能力を身につける。
グローバル化した社会で実践的なデータサイエンティストとして活躍するためのコミュニケーション能力を身につける。
数学、物理学、化学、生物学に関する知識と技能を身につける。
数理情報科学科の主要分野(数物・計算技術、生命科学、データサイエンス・情報解析・ソフトウェア、自然言語処理)に関する専門知識と、それらを課題の解決に応用できる能力を身につける。
課題を解決するための問題点を発見し、必要な情報を自ら収集・分析・整理することで、問題解決を行うことができる総合的な能力を身につける。
専門分野の基礎固めを行う
専門教育との接続を図る
専門分野を深く学修する
集大成としての卒業研究
AI 創薬とは薬の研究開発の過程で人工知能技術を活用することであり、計測された膨大なビッグデータの分析・解析や大量の知識データに対して高度な推論を行うことで新たな見地・発想を提供することが期待されています。疾患におけるターゲットタンパク質の検索、医薬品候補となる化合物の探索、副作用及び多種多様な医薬関連ビッグデータを機械学習することで、薬効・安全性を総合的に加味した薬剤設計におけるAI 創薬の基礎を身につけます。
機械学習の中でも近年発達の目覚ましいニューラルネットワークを用いた学習方法を学びます。比較的簡潔な構造であるパーセプトロンから始め、ディープラーニングと呼ばれる現代のネットワークまでを対象に学習と推論の仕組みを理解します。さらに画像認識の分野で実用化が進んでいる畳み込みニューラルネットワークを、機械学習における画像データの扱い方と共に学習します。
コロナ禍において、 創薬には時間を要すがコンピュータを使って膨大なデータを演算すると、ワクチンなどの創薬における時間や費用を大幅に軽減できることを知り、データサイエンスで難病に苦しむ 人を救えると考え、この分野に進みました。数理情報科学科では、数学と物理だけでなく、化学や生物の講義もあり、経済マーケティングから科学的根拠に基づく 『生命科学』 など、幅広く対応できるデータサイエンティストをめざすことができます。 いずれは、 まだ治療薬や特効薬ができていない未知のウイルスのワクチンを創薬できるAIを開発するエンジニアになりたいと思っています。
亀田 璃旺 さん数理情報科学科 2年 福岡県立小倉南高等学校出身
高校の授業を通じ、 数学の知識を基礎として情報を数値化し活用することに魅力を感じたこと、そして母が看護師なので医療や創薬についても興味があり、進学を決めました。 数理情報科学科では、4つの専攻分野について主専攻と副専攻を決めて複数学ぶことができるメジャー・マイナー制を導入していることから、分野の壁を越えて自分 の興味を広げることができます。 生命化学の分野について学び、医療や創薬を情報の分析や解析といった視点からサポートするデータサイエンティストを目指したいです。そのために情報学や統計学に加えて、化学、生物分野の知識も増やしていきたいと思います。
近藤 颯瀬 さん数理情報科学科 2年 徳島県立脇町高等学校出身
卒業研究は、指導教員の研究室に所属し、密接な指導を受けながら学びの集大成として取り組みます。
学生は研究活動への参画を通じ、4年間で学んだ知識・技能を活用しながら卒業論文にまとめます。
まとめた論文は、2月に行われる卒業研究発表会で発表され、技術者としてのプレゼン能力やコミュニケーション能力を磨きます。
ソフトウェアが正しく作られているかをコンピュータで自動的に調べる方法の研究開発を行っています。人間が持つ経験的な知識を活用しながら、人工知能領域の研究で発展してきた様々な探索技術を応用して無駄のない検査の実現をめざしています。開発者を支援する技術の研究を通じて、ソフトウェアによるモノづくりに貢献すべく研究を進めています。
熊澤研究室熊澤 努 教授