投稿日:2025/06/26 研究・プレスリリース
東京理科大学大学院の坂口直哉氏(博士課程2年)、本学薬学部の 小野田淳人 講師、東京理科大学の梅澤雅和准教授らの研究グループは、異なるサイズのシリカナノ粒子が、人体に最も豊富に存在するタンパク質であるアルブミンの構造に及ぼす影響を調査しました。その結果、直径10 nmという極めて小さなナノ粒子ほど、アルブミンの二次構造を顕著に変化させ、特にβ-sheet構造の形成を促すことが明らかになりました。これは、ナノ粒子が小さいほど表面積が大きくなり、タンパク質と強く相互作用するためと考えられます。
ナノ粒子は、その微細な特性から薬剤運搬システム(ドラッグデリバリー)やがん治療、バイオセンサーなど、さまざまな医療用途への応用が進んでいます。この研究成果は、ナノ粒子を安全かつ効果的に利用するための重要な設計基準や安全性評価の基盤となるものであり、医療や産業分野でのナノ粒子活用の発展に寄与すると期待されます。
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雑誌名 :
Langmuir
論文タイトル:
Changes in the Protein Secondary Structure on the Surface of Silica Nanoparticles with Different Sizes 著者:Naoya Sakaguchi, Atsuto Onoda, Kyoko Omata, Masakazu Umezawa DOI:10.1021/acs.langmuir.5c01606