投稿日:2025/09/02 研究・プレスリリース
薬学部薬学科 相良 英憲 准教授と田辺三菱製薬株式会社は、外見類似製品との識別性を高めることを目的として、「カナリアⓇ配合OD錠」の印字デザインに関する共同研究を実施し、医薬品の販売が決まりました。 医薬品の安全な使用にあたっては、錠剤の鑑別及び識別が正確に行われることが非常に重要です。外見が類似した錠剤の場合、誤認や取り違えによる医療事故のリスクが高まることから、識別性の確保が求められます。 本研究では、山口県薬剤師会に登録している保険薬局勤務薬剤師を対象として、識別性及び視認性の高いデザインについて、本学の学生(令和6年度薬学部薬学科卒業生:生野由佳(現:田辺三菱製薬工場株式会社))が中心となり調査研究を実施しました。研究結果として、630名の保険薬局薬剤師から回答が得られ、一文字を大きく強調したデザイン1)が、識別性及び視認性の向上に有効であることを明らかにしました2)、3) 。 研究結果に基づき、「カナリアⓇ配合OD錠」は、医薬品の安全な使用に寄与するユニバーサルデザインを採用しました。
1)一文字を大きく強調したデザイン
2)論文名:『錠剤本体の鑑別および識別に効果的なユニバーサルデザインの調査と分析』 DOI: https://doi.org/10.11256/jjdi.26.72 執筆者名:生野由佳, 中川 文馨, 山本 ひとみ, 笠谷 早千巴, 小川 憲一, 相良 英憲 3)論文名:『KH Coderを用いた錠剤本体の鑑別および識別に効果的なユニバーサルデザインに関する検討』 DOI:https://doi.org/10.11256/jjdi.26.186 執筆者名:生野由佳, 中川 文馨, 山本 ひとみ, 郷原 紗希,戸松 侑那,宮崎 大夢,小川 憲一, 相良 英憲
「カナリアⓇ配合OD錠」
少量の水で容易に崩壊することから、口腔内の唾液により速やかに溶け、飲みやすくなる剤形です。場所にとらわれることなく水なしでも水ありでも服用でき、これまで以上に、継続的な治療が必要な2型糖尿病のある方の利便性向上と服薬継続が期待されます。