投稿日:2024/11/22 研究・プレスリリース
本学薬学部薬学科(工学部医薬工学科 兼任)堀口道子 准教授の提案課題が 2024年度 科学技術振興機構(JST)のA-STEP 産学共同 ステージⅠ(育成フェーズ)に採択されました。
事業名 | A-STEP 産学共同 ステージⅠ(育成フェーズ) |
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分野 | アグリ・バイオ分野 |
研究責任者 | 薬学部薬学科 堀口 道子 准教授 |
課題名 | 次世代クッション型の細胞凍結保護剤の開発 |
研究期間 | 2024年12月~2027年3月 |
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同は、社会課題の解決などに向けた技術移転を支援するプログラムです。「ステージ Ⅰ(育成フェーズ)」は、大学・公的研究機関等における新規性・優位性のある基礎研究成果(技術シーズ)を企業等との共同研究につなげるまで磨き上げ、「学」と「産」のマッチングを行い、共同研究体制の構築を目指すものです。 2024 年度公募では応募 580 件のうち 42 件が採択されました(採択率:7.2%)。
アグリ・バイオ分野では、17 件が採択されています。所属機関別内訳(うちアグリ・バイオ分野)は、国立大学27件(10 件)、国立研究開発法人 11 件(5 件)、私立大学3件(1件)、公立大学1件(1件)であり、公立大学からの採択は本学のみでした。
細胞の長期保存は、通常、液体窒素(-196℃)等で凍結して行いますが、市販の凍結保護剤を添加しても、凍結・解凍時の細胞障害を完全には回避できず、細胞の20~30%が活性を失います。研究責任者は、細胞小器官を凍結ストレスから保護する「細胞内クッション効果」を持つ人工小胞を世界に先駆けて開発し、細胞生存率を市販品より約20%向上させることに成功しました。この小胞では、細胞導入効率の向上のため、対イオンにハロゲンを用いていますが、用途の拡大に向け、よりクリーンで安全な元素選択が求められています。本研究では、人工小胞の原料の対イオンを水酸化物イオン(OH-)に置換し、安全性・安定性を向上した「次世代クッション型細胞凍結保護剤」の実用化を加速し、バイオ・畜産業・農林水産業・食品工業等の分野での生物資源の保管の課題を解決し、社会実装と市場化を通じて利用範囲の拡大を実現します。
(参考)
JST WEB サイト 2024年度 A-STEP 産学共同 ステージⅠ(育成フェーズ)採択課題
https://www.jst.go.jp/a-step/kadai/2024-ikusei.html